久方ぶりのデート
ひょんなことがきっかけで、デートとやらをすることになった。
しかしこれは、デートなのだろうか?女性と二人で一日出かけて、
飯を食ったり買い物をしたりすることが、デートならば、
これは紛れもなくデートに違いない。
だが、今日のデートの相手には、付き合っている男性がいる。
今時の若い女性というのは、付き合っている男性がいても、
簡単に他の男と出かけたりできるものなのか。それとも私が、
男というカテゴリーとして見られていないのだろうか。
それはそれで、なんとも切ない。やっぱり男はいくつになっても男でいたいものだ。
女性に男性として意識して貰いたい。こんなオヤジがと笑うやつもいるだろうが、
世のオヤジを代表して言ってやろう、オヤジだって男なのだ。
相談に乗って欲しいという、ありきたりなセリフで誘われ、
いそいそと出向いてしまうのもやっぱり男だからなのだ。
なんの相談なのかは分からないが、私の半分と少ししか人生を経験していない彼女に、
助言の一つや二つでもしてやることはできるのではないか。
そんな軽い気持ちと軽い下心で、私は今日のデートとやらに応じたわけだ。
彼氏持ちの女性であるし、私に気があるわけではないことは、わかっている。
だけどやっぱり、期待していないと言うと、嘘になるだろう。
彼女は普段からやたらと私のことを褒めてくれたり、ボディータッチしてきたり、
事あるごとに私をドギマギさせるのだ。
20以上も年の離れた小娘に、こうもときめいてしまうとはお恥ずかしい限りである。
一つ言い訳をさせてもらえば、決して、コートを新調したのは、
デートの為などではないのである。
と、いうことにしておいて欲しい。と、何故か自分に言い訳をしてしまうのであった。
男なんてこんなもんだ。いくつになっても変わりゃしないのが実際なのである。
少年の心は永遠に続く・・・・